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高エネルギー加速器研究機構一般公開2023 [旅行]

つくば市の北部にある高エネルギー加速器研究機構(KEK)の一般公開が現場開催で行われたので、初めて行ってみました。

KEKは「大学共同利用機関法人」という、研究のために作られた組織といっていいのでしょうか、大学の研究所の親玉のようなところだと思います。ここでは素粒子物理学という原子核よりもっと小さい素粒子の研究から宇宙のなりたちまでを研究しているところ。一番小さいものから一番大きいものまでの研究をするのは、驚きを通り越して、ロマンさえ感じます。

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たくさんの研究施設を見学できるなかで、一番興味を持ったのは、SuperKEKBと呼ばれる加速器。電子と陽電子をリング状の加速器で光の速さまで加速してぶつけ、その時にでてくる粒子???を調べることで研究をしているとのこと。
興味を持った理由は、この加速器はリング1周3kmもあり、リング自体は地下にあるのですが、その上の道路を構内バスを使って移動するほど大きいからです。

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リング状の加速器を見学するには、構内バスにのって、このような「トンネル入口」にたどりつき、そこから、エレベーターで地下に降りる必要があります。リングは地上から11m下の地下にあります。

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リング自体はこんな感じ。
トンネルのなかをリングに沿って200mほど歩いて見学します。
中は、その加速された電子、陽電子がとおるリング本体と、それを加速するための電磁石や測定器などが所狭しと並べられていて、それぞれの機器にケーブルや配管が幾つも繋がれています。そして大量のケーブルがリングに沿って這っています。

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そして、これが、電子と陽電子が衝突する場所に設けられたBelle II(ベル・ツー)と呼ばれる測定器。
写真では人が写り込んでいないので大きさがわかりませんが、幅、奥行き、高さが8m、重さが1,400トンある巨大な装置です。地中の大きな工場のような空間にすっぽりと収められています。

この加速器と測定器で、まだみつかっていない「超対称性粒子」と呼ばれる素粒子をみつけようとしているのだそうです。

物理学の研究でも、とんでもなく大きな装置、多くの人々、たくさんのお金が必要だということが実感できます。

この日は半日KEKでお世話になり、お昼も構内のテントでいただき、楽しい大人の社会科見学になりました。

つくば市内には、KEKのほかにも、以前訪問した宇宙航空研究開発機構(JAXA)など、研究機関が多数あります。これからも、チャンスがあれば、ほかの研究機関を見学したいと思います。

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YAP

これはエンジニアのロマンを掻き立ててくれる施設ですね。
こういう基礎研究こそが日本のように資源に乏しい国の国力につながるので、国はもっと予算をかけてほしいものです。
国が研究に金をケチっているので、民間企業が自分たちの努力でこれまで諸外国と競ってきましたが、それには限界があります。
by YAP (2023-09-24 18:24) 

robotic-person

KEK 一般公開2023が9月23日だったのですね。
KEK一般公開2016まで数回訪れ、安価に販売された本を入手するのを楽しみにしていました。今年の9月23日は締切のある書き物でKEKまでいけないのは明らかな状態でしたが、残念な気分・・

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KEK-OpenHouse2023
https://www2.kek.jp/openhouse/2023/

by robotic-person (2023-09-25 00:22) 

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