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革をチェックする スコッチグレインの工場見学2 [靴・鞄・革]

スコッチグレインのヒロカワ製靴の工場見学の続きです。
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(上の写真はショールームにあった、スコッチグレインの高級シリーズ”インペリアルプレステージ”と思われる靴。ブラックとブラウンの深みのある輝きに惹かれます。)

工場見学では、1枚の革が製品としての靴になるまでを、ヒロカワ製靴の廣川社長の案内で工程に沿って見学しました。

最初に案内してもらったのは、原料となる革の保管庫。
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これはライニング(靴の内側の革)になる白い革。こんな状態で保管されています。ライニングや靴底になる革は3ヶ月分キープしてあるそうです。ここヒロカワ製靴の工場のキャパシティは一日400足だそうです。単純計算で3万足分がキープしてあるということでしょうか。
この種類の革、最近はバングラデシュから高品質のものが入手できるようになったとのことです。

別の部屋では甲革の材料となる着色された革がロール状になって保管されています。
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ここではフランスやイタリアから輸入された高級革を見せていただきました。以前はヨーロピアンボックスという種類の革を輸入していたのが、90年代の狂牛病が流行して以降、グレードが落ちて来たとのこと。最近力を入れているのが、フランスのアノネイ社が製造しているキャンシーボックスという革とのこと。先日ご紹介した私の革靴も、同じアノネイ社の違う種類の革を使っています。
革の製造場所については、フランス製と言う場合、鞣(なめ)した場所がフランスという意味のようです。ヨーロッパでは、かつてはドイツ、いまではフランス、イタリアが靴用の革の主力生産地と聞きました。ヨーロッパで鞣された革は、鞣す水が違うのが大きいのではないかとのことです。そして、製品になってからは、持ちが良く、磨く程に輝きが増してくるものだと聞きます。

ここでは、同じ欧州産の革でも品質の良いものとそうでないものの違いを教えていただきました。
最初は、必ずしも高品質とは言えない革の部位。
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デジカメで撮影して、多少画像処理をしました。いくつも筋状のものが見えますでしょうか。これは牛の皮の首の部分にあたるところだそうで、自然の皺(しわ)なんだそうです。この部分が靴の目立つところに来ると良くないのだそうです。もっとも、靴として使い始めれば、ほとんど判らないとのことでしたが。

上の革との比較で見せていただいたのが、100枚に1枚あるかないかという高品質の革。さすがに上のような皺はみあたりません。
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しかし、素人の目では、肉眼でも、いわれてみればそうかなあという程度ではありました。廣川社長が、革の裏側から指を押し付けて引っ張ってみて、革をチェックする様子を見せてくれました。ちなみにこの革はスコッチグレインの高級ラインの靴になるほかは、馬具製造から発祥したことで有名な某フランス高級ブランドの鞄に使われるのだそうです。

革のコンディションをチェックする社長はさすがプロの目になっていました。ここヒロカワ製靴で造られているいろいろな靴の違いは主に素材の革の違いで、工程はどの靴も同じとのこと。革の素材のクオリティが製品としての靴の品質を大きく左右するということでしょう。

黒、ライトブラウン、ダークブラウンなどの色の反物を見ているようですね。
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この革が靴になるまでの工程を、これから何回かに分けて記事にしてみたいと考えています。
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YAP

靴を作るところってどんなんでしょ?
普段見ることができないところだけに、興味津々です。
by YAP (2009-08-04 08:19) 

ナツパパ

初めて見る世界です。
興味津々。
by ナツパパ (2009-08-04 08:50) 

きんちゃん

このシリーズ楽しみにしてます。
by きんちゃん (2009-08-04 11:30) 

モモパパ

へ〜あれってクビのシワなんですね・・・^^;
この後の続きも楽しみです^^
by モモパパ (2009-08-04 22:54) 

ぽりぽり

良い靴は材料選びからですね。これは、素晴らしい。。質の良いビジネスシューズが欲しくなってしまいました。
by ぽりぽり (2009-08-05 08:01) 

hideyuki2007y

皆様

返信が遅くてすみません。
靴の素材の革ひとつとってみても奥が深そうでした。靴の革は強度的にはもちろん、長持ちすることが重要だと思います。そして、良い革靴は、最初はもちろん、しっかり手入れすれば手入れする程深い輝きが得られる革なんだそうです。
手前味噌で恐縮ですが、そんな輝きが将来得られるよう、一生懸命靴磨きをしたいと思ってます。
by hideyuki2007y (2009-08-11 20:01) 

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